真夜中の怪。オーイおじさん


Sep 13, 2014
写真
↑記事とはまったく関係ないけど仏ヶ浦にて(爆)。

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愛知県豊田市と長野県松本市をつなぐ国道153号線沿いのひまわりの湯がある道の駅信州平谷(長野県最南西部分)で車中泊していたらドアを閉める大きな音で目が覚めた。

バンバン、バンバンとドアの開け閉めを繰り返している。時計をみたら夜中の12時過ぎ。 少し異常な雰囲気を感じたので辺りの様子を伺っていると今度はクラクションの音がけたたましく鳴り響いた。 同時に、おーいと何度も叫ぶ声が聞こえてきた。このうるさい輩に誰かがキレたのだろう。

軽のワンボックスが黒い車の横に停止してクラクションを鳴らし始めた。なるほどこの黒い車がうるさい輩だな。 軽のワンボックスはクラクションをずっと鳴らし続けている。黒い車に動きはない。これからどういう展開になるのだろう?と車の中からハラハラしながら見守っていた。

すると軽が移動し始めた。怒りが収まって道の駅から出ていくのだと思った。す ると黒い車からさほど離れていない別の車の横で停止した。

随分と近くに停めるんだな?と思った瞬間、プァーとまたクラクションの音が鳴り響いた。 えっ!?どういうこと!?そしておーい、おーいとまた叫び始めた。・・もしかしてあのドアをバンバンしていたのもコイツ?。その後も別の場所に移動しておーい、おーいと叫んでいる。とりあえず見える範囲からはいなくなったので横になった・・。

・・結構な時間が経ったが相変わらずおーい、おーいと叫び声は続いている。時計を見たら1時前だ。 よく声が続くなと思いながら、誰もよく注意しないなとも思った。自分は外寒いし(標高が高いので夏でも夜は冷える)、面倒事は避けたかったので車の外に出る気はなかったが、 血の気の多いトラックの運ちゃんとかは出てきそうなもんだけど・・・。

そこでふと思ったのが、このおーい、おーいと叫ぶ男の異常な行動・・もしかしてコイツ凶器を持っているんじゃないか?。この道の駅は長野の山の中だ。地元の猟師だったら猟銃を持っているかもしれない。あるいはナイフとかの何らかの凶器で無差別殺人とかしようとしているのでは?。

・・ハハッまさかなぁと思いながらも何故おーい、おーいとずっと叫ぶのか意味がわからない。待てよ?、今までおーい、おーいと言っているかと思っていたけど、ひょっとしてウォー、ウォーと雄叫びを上げているのか?。っとか考えていたら声がまた少しずつこっちに近づいてきた。

・・・え~~とっ・・・なにか武器になるものなかったっけ?。とりあえず登山用のストックを手元に置いておこう。車の運転席から後ろに身を乗り出して荷室をガサゴソと探し出す。

その時一台の車が入ってきた。赤いランプがクルクル回っている。パトカーだ。誰かが通報したのだろう。パトカーは比較的近くに停止し、警官が2名降りてどこかに走っていった。たぶん通報した人間と話しているのだろう。おーい、おーいの声はもうしない。パトカーが来たので逃げたのだろう。

少し時間を置いてトイレに行きがてら警官に先程変な男がいたことを伝えた。すると警官は目の前の車を指してこれがその男だと言う。警官は通報者ではなく犯人と話していたのか。また警官は頭の横で右手の人差し指を回すジェスチャーで犯人が頭のおかしい人間であると教えてくれた。

犯人の顔を見ると50歳前後で長身、髪は白髪で眼鏡をかけており顔はおっとりした感じだった。ナンバープレートは長野ではなく愛知ナンバーだった。その後、その男は手錠をかけられパトカーで連行された。

男の車は警官が入念にチェックを行い警官が運転していった。 頭がおかしい為の奇行という事はわかったが、車に凶器は積んでいなかったのだろうか?。そこだけは気になるところである。